今日は、演奏する楽器。。私の考えているライアーのことです。
私は、音楽療法士でありますが、もともとは、
フランス近代ものを中心として演奏活動をしていました。
現代曲も結構好きだったのですが、
それよりも興味を持ったのが、フランス古楽です。
こちらに来てから知った分野で、
ウィリアム・クリスティー全盛期時代でした。
私には、すべてが目新しかったのを覚えています。
最近は、宮廷バレエも習っているおかげで、
ダンサーの友人も増えました。
そんな中、ちょくちょく私のブログにも登場してもらっている、
ダンサーでもあり、ガンバリスト(頑張る人じゃないです。)の
松本更紗ちゃん(サラサちゃん)が、ヴィオラ・ダ・ガンバを持って、
おうちに遊びに来てくれました。
楽器は、イタリアのもので、木肌も色艶も美しく、
大変丁寧に制作されていました。
できあがるまで4年かかったので、頼んでいる間に、
音大卒業しちゃった。。なんて、
くったくなく笑っていたのが印象的でした。
彫刻の顔もシンメトリーで美しく、中性的な魅力のあるものでした。
何年もかけて、彼女の理想とする音に練れていくのでしょうが、
鳴りが良く、将来楽しみな感じを受けました。
サイズは大きいのですが、軽く、ケースの方が重かった。。です。
メープルと。。多分表面は。。西洋モミかなぁ。。
ライアーと、フランス中世とスペインものを何曲か、合わせました。
2人とも初見で、顔が真剣。。でも楽しかったです。
ソプラノソロライアーは、音の伸びがまったくなく、
アルトライアーは、それなりの音はしますが、
残響がその辺にうろうろしていて、うるさく感じました。
ルネサンスハープや古楽アイルランドハープと比べると、
ライアーは、Articulation(アーティキュレーション)が弱く、
独立した成熟した楽器ではない事が分かります。
ダビデが弾いた楽器は、残っている絵画や文章などから、
ハープの場合とライアーの場合とあるようですが、
私の勝手な解釈と想像では。。
ハープは音楽療法、ライアーは音療法(音階療法)
という特徴があるのだと思います。
ハープは、そのまま音楽を追い求め、発展し、
2段、そして3段ハープが出現、
その後、ペダル付現代ハープ。。
これは、オケでも使える、立派な楽器です。
ライアーは。。発展できずにいました。
音階。。狭い音の組み合わせです。
中世音楽にも、ルネサンス音楽にも、バロック時代にも、
古代ライアーで弾く曲。。ないです。
シュタイナーのグループは、そのすたれていたライアーに、
音の息吹と本来のこの楽器の意味、
療法としての命を与えました。
そして現在私たちは。。
ハープやバイオリン、ピアノなどのように、
現代ライアーに、音楽の息吹を持たせようとしています。
今回、成熟した楽器とガチに合わせてみて、
自分の楽器が、声を張り上げ、枯らして、
私の欲しい音に答えようとしてくれているのを痛いほど感じました。
楽器に無理を強いて、それでもやりきれない。。
声楽でも舞台上にマイクがありますし、
マイクは、邪道だとは言わないですが。。
ライアーを演奏するという事は、ポピュラー歌手のテクニックと同じく、
マイクと楽器が一体となって初めて演奏形式となります。
ライアー、マイク、アンプそしてスピーカーで、ひとつの楽器です。
西洋古楽器の生音は、本当に美しいです。
古楽声楽も、音量あります。
そう考えると、
音のアーティキュレーションや
流れのアゴーギクに耐えられる、答えられる楽器、
すなわち外に向かう楽器の形状、
弦、コマ、そして反響版の工夫、軽さ、美しさ。。
現代ライアーが、成熟した演奏楽器になるためには、
こういった初歩からの見直しがもう一度必要だと思います。
演奏形式に対応できる楽器づくりをしていくために、
大きな課題があるでしょう。
私は、気が向いた時にしか弾かないのですが、
それぞれの楽器に見合った良さとその意味を考えつつ、
ソロコンサートにしても、療法にしても、
大切にしていきたいなと思いました。
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